3月25日水曜日に京都三条の仁王門通りにあるニューオーモンという複合ショップの中のチエリヤさんで sokuatsu(足圧)させていただぃます。
アロママッサージのみわこさんもいらっしゃいます。
ベトナムのバインミーやタイカレー。おばんざいもみんなおいしいすてきなお店です。
ゆったりした町屋の二階でお待ちしています。
* * *
20代のころ住んでいたまちの隣の西宮の夙川というきれいな街並みを散歩するのが好きでした。
ケーキ屋さんや珈琲屋さん、教会、輸入えほんのお店などが並ぶ中に、半地下のすてきなBarがありました。あまりお酒は飲めないけど、友だちを誘って行ってみました。街並みにあったきれいな落ち着いた雰囲気でした。
それから何回か友だちとそのお店に行き、あるときひとりでそのお店に行きました。
ひとりでBarに行くのは、そのころのわたしにはとても思い切ったことに感じられました。
カワンターのはしっこに座っていたら、お店のひとが、
「いつも友だちときて、うちBarなのにけっこうお皿ならべて食ってますよね?」
と言われて、そうか、こういうBarではあんまり食べないものなんだなあ、今度から気をつけよう・・・と思ったりしました。
ぼんやりしたり、ときおりお店の人と話したりしていたら、どんどん時間がたって、終電の時間を過ぎていました。でもまあ隣の市だから、タクシーで・・・と思って、お財布をみたら、お店の支払いで、もう残りわずかな金額でした。
うーん、どうするかなあ、と思ってたら
お店の人が
「ぼく、お店閉めたら、車だからおくりましょうか?どのあたりですか?」
と言ってくださって、今思うと、顔に「タクシー代がない」って書いてあったんでしょう。
今日はじめて話したぐらいだし、常連でもないし、
ちょっとびっくりしましたが、とにかく帰れる、と思ってお願いしました。
その人が後片付けをしている様子を座って見ていると
Barのあかりをパチンと消したとき、そのころ話題だった田村正和さんがBarをしていて
井上陽水さんの歌が印象的なドラマみたいだなあと思って
「あのドラマのBarみたいですね」と言ったら、
「ああ、そういう人けっこういますよ。ありがちな感想ですよ」
と言われ、そうか、ありがちなんだ・・・と思ったりしました。
それから車で少しわたしのつまらない失恋の話なんか聞いてもらって、
「そう、がんばってね。いいこともあるよ」
と言ってもらって、家に帰りつきました。
なんだか不思議な夜だったなあと
思ってバックを見たら、さいふがありませんでした。車の中に落としてしまったのでした。
そのとき一番に思ったのは、ああ、からっぽのおさいふを見られてしまう・・・ということでした。
どうしようかなあ、と思っているうちにすぐにその財布は家に郵送されてきました。
それもすごく驚きました。なんで、住所がわかったのか・・・
からっぽのおさいふを開けたら、見慣れない外国のコインが入っていました。四葉みたいな模様があるコインでした。
お店の人が、失恋したというからっぽのさいふ持ってる女の子に、幸運をね、っていれてくださったんだなあと、胸がいっぱいになりました。
でもどうしてもおさいふが空だったことがはずかしくて、そのお店にいくことができませんでした。
そのうちに、引越して、夙川に行くこともなくなり、Barも違うお店になりました。
名前もわからない顔も覚えていないそのお店の人のちょっとクールな声を思い出すと、
はずかしいってことにこだわらずに、ちゃんとお礼を言えばよかったなあ、
と思います。
なんだか、どこをとってもまぬけな、でも幸せな出来事でした。
写真はsinduさんの作品、マハラジャに続く光のふりそそぐ道です。
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