2015年8月2日日曜日

beyerでの 詩のワークショップ


ONSA展のイベントとして beyerさんで 西尾勝彦さんの 詩のワークショップがあり、参加することができました。

詩というものを 書いたことがなく、「詩的な時間の過ごし方」という宿題も
詩ではなく、文章で持っていきました。

西尾さんに 添削(という言葉を使うのはひさしぶり・・・)していただいて、なんとか詩のようなものができ、「詩のうまれるところ」というタイトルのすてきな小冊子になって、わたしのところにやってきてくれました。

9編の詩の中にわたしの「なにもない放課後」 「カップのなか」の二編も入れてもらっています。


なにもない放課後

高校生になったら
あたらしい友だちと
あたらしい毎日をおくるのかな
ぼんやりそうおもってた

なってみたら
そんなふうではなくて
たいがいひまで
することもとくにおもいつかなかった

しかたないから
学校から帰ったら
雨じゃない日は 自転車にのった
知らない道の ふつうの家の窓や庭の花を
見ながらはしった

土手をはしっていたある夕方
ふいに
きれいなもの
汚れたもの
こわい人
すごい人
ふつうの人
みんなこの世界に同時に在るんだな
その人が見てる世界
いくつものその人だけの世界
でも同じひとつの世界なんだ
とおもった

そのときの ありふれたみちばたの草と
土ぼこりのまう道は
一枚の写真みたいに
わたしのなかに 今も残っている



カップのなか

はらっぱのカフェのテーブルの上
ちいさなアリが横切るのをながめる
そのうち男の人が小屋から出てきて
そっけなく珈琲をわたしの前におく

ごつごつしたカップのなかを
のぞきこむ
まるくて黒い鏡のように
葉っぱがうつっている
それは
こことはちがう世界への入り口


 

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